さぁ、新年度!
新天地での活動にワクワクしている方もいらっしゃることでしょう。
スタートダッシュは少し緊張しますね。
本日のテーマは、ずばり「声優の営業」について。
先月、3月13日をもってマスク着用は個人の判断となりました。
しかし、声優の主戦場は3密の極みである録音スタジオ。
今後も感染症対策には気が抜けません。
そんな中、果たして新人はどうやって露出機会を増やせば良いのか?
元営業職として考えてみました。
それでは、10分少々お付き合いくださいませ。
【課題】声優の営業
現状の「声優の営業」は
ほぼ待つことしか出来ません。

コロナ禍になる前は、所属事務所に定期的に顔を出し、マネージャーに自分のボイスサンプルを売り込みつつ、飲み会やワークショップで先輩と交流を深め、隙あらばアフレコ現場に同行させてもらい制作者側に露出するのが新人の営業手段でした。
しかし、現在はリモートでマネージャーとコンタクトを図るのみ。
これでは直接的な営業活動になりません。
制作者側(音響監督)も本業に支障をきたす訳にはいきませんから、新人育成を目的としたワークショップ等を開催しにくくなりました。
では、現在の声優は持て余した時間をどう過ごしているのか?
よくあるのは舞台や朗読劇の企画、参加、ワークショップの講師など。
お金を払えば学生でも劇場を借りることは出来ますし、芸歴が浅くてもビジネスの領域であれば声の専門家として活躍する場は広くあります。
経験を活かして日常的にアウトプットを行うことは、自身のパフォーマンスを磨くためにも自己肯定感を上げるためにも重要な行動と言えるでしょう。
しかしながら、これは「声優の営業」とは言えません。
観劇に来る可能性があるのは舞台やイベントの関係者であり、アニメや吹き替えの制作者がわざわざ二次感染リスクを冒して劇場に視察に来ることは稀でしょう。
人脈がどう繋がるかは分かりませんが、やはり直接的な営業になりません。
広義として「役者」でありたい場合は問題ありませんが、お金を稼ぐ手段として、あえて俳優ではなく声優を選んだということは見失って欲しくないと思います。
今回は声優ならではの直接的な営業手段を考えてみましょう。
【事例】出演者側と制作者側の関係性
ところで、声優事務所はどのような営業活動をしているのでしょうか?
基本的には同じ音の制作工程として、音響制作と協業関係にある場合が多いです。

アニメやゲームの制作会社にキャスティング部門が内製化されている場合は、俳優における劇団のような形で作品を作ることが出来、所属声優の露出頻度が安定します。
制作規模の大きい作品ほどキャスティングで意見を通すのは難しくなりますが、お金を出せばその限りではないため、出演者側が製作委員会に参加する事も増えました。
その分、所属声優は出資者の期待に応え、次に繋がる成果を残さなければなりません。
【仮定】クリエイターとしてのアプローチ
事業主たるもの、受け身に甘んじてはいけません。
時には身を削ってでも、攻めの姿勢を貫く必要があるのです。
自力で仕事を作ることが出来ない「他薦」の世界だけでなく、
自力で仕事を作ることが出来る「自薦」の世界にも顔を出しましょう。
具体的には、クライアントワーク+自分の作品を作り発表する習慣。
声で世界観を彩る「クリエイター」としてのアプローチが必要と考えます。


「生殺与奪の権を他人に握らせるな」と義勇さんも言ってました。
では、声優が自ら企画を行う作品、団体の事例を見てみましょう。

反響次第では商業化やメディアミックス化の可能性も十分にあり、その際は事務所側にもバーター出演や続投などのメリットを提示することが可能です。
以前は「黒歴史になるからやめておけ」とネガティブに捉えられがちでしたが、動画共有サイトの需要拡大に伴い、自主制作に対する考え方は変わりつつあります。
【結論】声優が自力で仕事を作るプラン
今回は「声優の生存戦略」として、
個人のクリエイターと協業し、仮想の劇団、同人サークルを作る
というプランを提案します。

課題は二つ。
一つ目はクリエイターの仲間を作ること。
まずは自力でクリエイターの作業を経験し、企画書やポートフォリオを作りましょう。各工程の拘るべきポイントや作業時間をある程度把握していれば、制作の際に相手の立場を考えたディレクションを行うことが出来ます。
二つ目はマネージャーの許可を得ること。
これは自分のプレゼン次第です。作品のサンプルをもって熱意を伝え、事務所側のメリットを提示します。また、リスク管理を徹底していることが重要です。場合によっては事前の投資やコネクションが必要になるでしょう。
考え方は人それぞれで、大手は厳しく中小は緩いとも限りません。是非この機会に、マネージャーとは作品作りに関するワクワクする話が出来る関係になってください。
***
最後に。
主役に選ばれ、作品が当たった人はアーティストとしてクライアントワークに集中し、身体が満足に動くうちに稼げるだけ稼ぎ切るのが良いでしょう。
そうでない人は、今の日常の延長線上に何があるのか、想像してみてください。
「事務所のマネージャーが厳しいから今は待つことしか出来ない」
「生活費を補うために、仕方なくシフトの融通が利くアルバイトを続ける」
これらの考え方は果たして正解でしょうか?
役者にとっては全ての行動が芝居の肥やしとなるので、その判断がいずれ何らかの形で役に立つ可能性はあります。しかし、それを続けた先に興味・関心が無いのであれば、ダラダラ続けるのは少し時間が勿体無いように思います。
ある程度の資金が集まったら、次は作品を世に届けるクリエイターの一人として、出来ることを増やしてみるのはどうでしょうか?
※上記にアルバイトという雇用形態を蔑む意図はございません。派生する話題として、声優と異業種の兼業を前提とするプランもまとめたので更新をお待ちください。

簡単に言うと、俳優が劇団を立ち上げるように、声優は同人サークルを立ち上げたら良いじゃないという話です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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優しい世界の創造主・平和也(タイラカズヤ)です。