名字の歴史
名字の歴史は大まかに3段階ある。
まずは平安時代後期。貴族の家柄や居住地、武士の領地を表すものとして生まれ、次第に農民階級まで広がり、誰でも自分で自由に決めることが出来た。
それが江戸時代になると、公に名乗ることを支配階級の特権とされ、子孫を意味する「苗」の漢字を当てた苗字の書き方が生まれたそうだ。
そして、明治時代初期。身分に関わらず名字を名乗ることが義務付けられ、登録済みのものは簡単に変更することが出来なくなり現代に至る。
なお、古代にも似たものとして血縁集団を表す「氏(うじ)」や天皇から授かる称号の「姓(かばね)」があったが、これは種類が少なく個を示す機能は無かった。
名字は必ず何らかの縁があるものから付けられたとされているが、読み方を変えたものや個人が作成した当て字なども含めると現在も正確な数が分からず、専門家の間では10~30万種と言われているようだ。
名字の分類
名字は大まかに以下のような分類をすることが出来る。
- 地名由来
- 地形・風景由来
- 方位・位置関係由来
- 職業由来
- 藤原氏由来
①~③は分かりやすいだろう。
④職業由来の名字は部、司、飼など役職を表す語が付くことが多いぞ。
⑤藤原氏由来の名字は藤で終わることが多く、佐野の佐藤、伊勢の伊藤、加賀の加藤のように居住地域によってカスタマイズされている。
先述のルーツを辿れば分かるが、ほとんどの名字は①地名由来のものだ。
私の名字「不来方」も地名由来で、現在の岩手県盛岡市のことである。
↓その地名の由来については以下の記事で触れているぞ!
名字の派生
名字は連想ゲームのように派生して増えた。
例えば、ランキング2位の鈴木は、神官の職業に由来する穂積から来ている。
稲の穂を積んだ稲叢の中心に立てる棒のことを熊野地方(現在の和歌山県と三重県の南部)で聖木(すすき)と呼んでいて、それが転じて鈴木が生まれたそうだ。
また、その稲の穂を摘み贈る風習が旧暦8月1日にあったことから、八月一日と書いてほずみと読む名字もある。一日は旧暦の1日を差す朔日と書いたものもあるぞ。
日付の名字は他にも四月一日(わたぬき)や五月七日(つゆり)などがある。しばしば漫画やアニメのキャラクターの名前で見かけるな!
今回はこれで以上だ。
次回からは難読名字の特集も行う。楽しみに待っていてくれ!
こずみっくぱわー!!!不来方未来である!
今日から地名と関わりの深い名字についても勉強していくぞ!